第9話


<試合後選手控え室>

試合を終えた選手達が笑顔で引き上げてきた。

「よう、お疲れ、勝利おめでとう」
「あー、かおりん、会いたかったべさ。去年のトヨタカップ以来だべ」
「飯田さん、足は?」

後藤が心配そうな顔をして尋ねる。

「あーなんとか、松葉杖なしで歩けるようにはなった。医者もびっくりしてたよ回復がはやいって。
でも、サッカーはまだ無理かな」
「やっぱり、出場は無理なんですね」
「そこでね、圭織ねフランスに戻ることにしたの。
フランスから電話あって、主治医の先生が決勝にはピッチに立てるようにしてやるって言ってるから、
それ信じて行くことにしたの」
「じゃあ、なっち達なんとしても決勝に行かなきゃね」
「頼むよ、みんな」
「よーし、任せてください。この石川に」
「おー、梨華ちゃん強きだべ。じゃあいくよ」
「「「「がんばっていきまっしょい」」」」


<H組もう一試合というと>

CAMEROON 5 − 0 NETHERLANDS

JリーグでプレーしているFW3人が、全得点叩きだしカメルーンの快勝。


<日本宿舎>

監督室でつんくと夏がVTRでカメルーンの試合をチェックしている。

「やっぱり、カメルーンの破壊力はすごいな」
「Jリーグの得点TOP3ですからね」
「カメルーン戦は、どうしたらいいとおもう?」
「システムですか?」
「ああ、攻撃的布陣でいくか、守備的布陣でいくか、それともいじらずこのままいくか」
「まだ3日ありますし、練習で試してみて、決めましょう」
「そうするか」

**翌朝・食堂**

選手たちが、朝食を取る為に集まってきた。

「おはよう、梨華ちゃん」
「あっ、ごっちんおはよう」

先に食堂に来ていた後藤が石川に声をかけた。

「梨華ちゃん、今日のスポーツ紙みた?」
「ううん、まだ」
「はいこれ」
「なにのってるの?」
「日本の石川梨華・鮮烈代表デビュー!!フリーキックを直接叩き込む!! だって。
すごいじゃん梨華ちゃん、1面だよ」

横にいた吉澤が新聞を覗きこんでいる。

「でも、<相手の挑発に乗りイエローを貰うなど、まだ精神面の強化が必要か>だって」
「ねえ、美貴のことは書いてる?」

少し遅れてやってきた藤本が尋ねる。

「え〜と、みきてぃはっと。<高卒ルーキー先発するも、シュートも打てず見せ場作れず。
カメルーン戦は、辻か柴田と交代か>だって」
「まじ、そんなこと書いてるの。ちょっと見せて」

藤本が石川から新聞を取り上げた。
藤本が新聞にぶつぶつ文句をいっているのをやれやれといった顔で中澤がみている。

「あ、中澤さん。おはようございます」
「おう、高橋。手大丈夫か?」
「はいなんとか。今、日本のゴール守れるのは私しかいませんから弱気なこと言ってらませんから」
「そうやな、がんばってくれや。決勝トーナメントまでには腕治すやさかい」
「はい。でも、決勝トーナメントも高橋が守らせてもらいます」
「おお、強気にでたね」
「あと、2戦楽しみにみててくださいね」


この日から日本の練習は非公開で行われた。
そして、カメルーン戦を迎える。




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