第8話


「いくぞ、村田、用意だ」
「えっ、は・・はい」
「1点リードされたイングランドは今まで以上の猛攻をしかけてくる。
 だから、今から言う指示をみんなに伝えろ」
「はい」

一進一退の攻防が続く。
イングランドDFがクリアしたボールがラインを割る。

ここで日本ベンチが動いた。
プラカードはout19・in3を示す。
「え〜〜、美貴交代なのぉ。まだ得点してない〜〜〜。やだ〜」
ぶつぶつ文句をいいながら藤本は渋々ピッチをでた。

「みきてぃ、おつかれ」
「めぐみさん、頼みますよ。美貴の変わりに入るんですから」
「おう、まかせときな」
村田は藤本とハイタッチでピッチイン。

ピッチに入った村田はつんくからの指示をすばやく伝える。
「ミウナには、まいちゃんがマンツーマンマーク」
「まかせておいて」
「あと、フォワードはあいぼんのワントップ。まいちゃんの抜けた位置にはよっしー。
 私は、梨華ちゃんと一緒に動き回って、ボール拾いまくります」
「よし、みんな頑張っていくべ」

つんくの作戦は見事に成功した。

「マンツーマンマークでくるなんて」
「北氷の壁の意地にかけて、あなたには通さないわ」

「だめだ、あれだけきっちりつかれては、ミウナには送れない」
「ほら、どうした」
「よそ見してると、私達がボールもらちゃいますよ」
村田と石川が中盤で果敢にプレスをプレスをかける。

バチッ

「よし、もらったぁ」
村田が見事にパスカットに成功。

「あとは、頼みます」
前方の安倍にパス。

「よし、一気にいくぞ」

しかし、加護には3人のマークがついている。
「フォワードはあんただけだからね」
「シュートはうたせないわ」
「チッ」

安倍は加護をひと睨みする。

(この状態でも、わいによこすというのか。よし、その目信じたるわ)

安倍は前方に大きくパス。

「ラッキー、パスミスだ」
一瞬、加護のマークが緩む。
(よし、今だ)

しかし、ボールはフィールドにワンバンドした途端、方向を変え、
マークを外し走り込んできた加護の足元にぴたっと届いた。

「もらったぁぁぁぁ」
ダイレクトでシュート。

「もう、点やるわけにはいかない」
アヤカが神懸り的な反応を見せ、パンチング。
しかし、運悪くボールは詰めていた後藤の前に飛ぶ。
「いただき」
後藤は軽く蹴りこんだ。

「ナイスフォロー、ごっちん」
「この1点は大きいよ」



「終わらない・・・このまま絶対終わらせない」



「この私が3点も取られるなんて・・・・」
「まだ終わったわけではないわ。少なくとも私はあきらめない」
「そうねミカ、取られたら取リ返せばいいもんね。
 私もこれ以上はいれさせない。守ってみせるわ」
「よし、いくぞみんな」

さらに一進一退の攻防が続く。

だが、日本が徐々に押されてくる。
しかし、吉澤と麻美が中心になり、懸命の守りをみせる。

「くそ、なんとかしなくては。私が突破口を開く!」

「こい、ボールを私に!」

「くるぞ、よっしー。ここが勝負どころよ」
「はい」

「よし、ミカからボール奪えば守りが手薄になる。追加点の大チャンスね」
石川と村田が果敢にミカに挑む。

(お前達などに止められてたまるか)

ミカは、すばやいフェイントで一気に抜き去る。が

バキィッ

後藤が見事にカット。
「ごっちん!!」

(しまった)

が、それをまたイングランドが奪い返す。
「あっ」
「それ、ミカ」

ボールは再びミカの元へ。

「よし、こい」
「私達がとめる」
吉澤と麻美が待ち構える。

ミカはかまわず中央突破。
「よし、いくぞ」
吉澤と麻美が果敢にアタック。

が、ミカは抜群のフェイントで一気に抜き去る。

しかし、高橋も判断よく飛び出している。
かまわずミカはシュートに行く。
「決めさせない」

バッ
「あっ」

(頼むよ、ミウナ)

だが、ミカはシュートに行かず真横にパス。
「な!!」

その位置には、里田のマークを外したミウナが走りこんでいる。
「もらった」
ミウナがダイビングヘッドで押し込む。

「決めさせるかぁ」
大谷が必死に飛び付くが届かない。
ボールは無人のゴールに向かって行く。

ボム
「なにぃ」
ゴール前まで一気に戻ってきていた石川が見事にブロック。

(そ・・そんな・・・・)

「それ」
前方に大きくだす。
が、それを加護がカット。

「よし、いくべ」
「安倍さん」

「それ、なっち」
加護はボールを安倍に戻す。
「いくよ、ごっちん」
「はい」

安倍と後藤は息の合ったコンビプレイで一気に抜いていく。

「とめろ」
「せめて、シュートはうたすな」
最後に残った2人のDFがブロックにはいる。

ビィム

安倍はとっさにバックパス。
「なにぃ」

そこには、加護が走りこんできていた。
「くらえ、これがとどめや」

ボールはイングランドゴールに向かって一直線。

「でや〜〜」
アヤカが懸命に飛び触るが、そのままゴールに吸い込まれた。

ピィィー ピィッピィ〜〜

ゴールと同時に試合終了のホイッスル。

「よし、勝ったべさ」
「このまま、一気に全勝といこう」
「ごっちん。それなっちが言おうと思ったのに。なっちがキャプテンなんだけどなぁ」
「そのセリフ、どっかで聞いた気が・・まいっか」



JAPAN 4 − 1 ENGLAND

10min. ENGLAND MIKA
30min. JAPAN ISHIKAWA
58min. JAPAN KAGO
65min. JAPAN GOTO
89min. JAPAN KAGO




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