第4話


飯田が札幌の実家を訪れていた頃
合宿所には、続々と選手が集まってきていた。

「ゆ〜〜ちゃん」
「おう、なっち。久し振りやな」
「そうだね。それより腕大丈夫?」
「大したこと無いわ、と言っても1次は無理やわ」
「まあ、多少失点しても、なっちがなんとかするさ」
「安倍さん、守備はキーパーだけじゃありませんよ」
「あ、あさみちゃん、ごめんごめん」
「そうですよ、この札幌4人で守りきってみせますよ。北氷の壁の威力みせてさしあげます。」
「なに言ってのかなぁ。4人ともレギュラーになれるとは限らなくてよ」
「保田さんじゃないですか」
「私もいること忘れないで置いてよね」
「まあまあ、喧嘩はしない。1次はコイツが頑張るさ」

中澤は高橋の頭を軽く叩いた。

「頼むで。高橋」
「はい。ドッキドッキですけど頑張ります」

そんな話をしていると、監督のつんくが部屋に入ってきた。
「おう、みんな聞いてくれ。飯田が札幌で交通事故に遭った。
 命に別状はないが、インターナショナルカップ出場はほぼ絶望的だ」

「なに、冗談言ってんだべさ」
「こんな事、冗談でいえるか」
「かおりん・・・・・」

重たい空気が部屋を包み込んでいた。
その中、コーチの夏が口を開いた。

「これから、飯田に会いに札幌まで行ってくるが、伝言はあるか」
「なっちも行きたいのですけど」
「じゃあ、後藤も」
「やめときな」
「裕ちゃん・・」
「今、私達が訪ねて行ったて、かおりんは喜びはしない。
 試合にでれなくなった、かおりんが一番喜ぶのは、かおりんの
 穴をうめるように、練習して強くなるのが一番じゃないの」
「・・・・・」
「そうだね、みんなで練習して、強くなるべさ」
「かおりんに伝えて下さい。必ず決勝までいくから、絶対戻ってこいと」
「わかったよ。伝えておく。」

それから、代表メンバーは、飯田が抜けた穴を埋めようと、必死に練習を重ねていった。

そんな中、大会の組み合わせがやっと決まった。
1ヶ月前にやっと決まった背景には、アフリカ代表が、不運が重なりなかなか決まらなかったのがある。

<A組>    <B組>    <C組>    <D組>
フランス    スペイン    ブラジル    ポルトガル
モロッコ    ベルギー    ルーマニア   ロシア
ウルグアイ   パラグアイ   中国      アメリカ
デンマーク   エジプト    カナダ     韓国

<E組>    <F組>    <G組>    <F組>
ドイツ     アルゼンチン  イタリア    日本
サウジアラビア ナイジェリア  コロンビア   イングランド
アイルランド  ノルウェー   クロアチア   カメルーン
チュニジア   スウェーデン  メキシコ    オランダ

「おーい、組み合わせ決まったぞ」
コーチの夏が組み合わせ表を持って、練習場にやってきた。
「初戦は、アヤカとミカのいるイングランド
 2戦目は、キタ、スエ、アラのいるカメルーン
 3戦目は、アヤッペとリーンネがいるオランダだ」
「ついてないよ。なんて組み合わせだ」
「矢口さん、でもいつも戦ってる相手じゃないですか。」
「柴っち、だからいやなんだよ。相手はこっちのクセや、プレースタイルなど熟知してるだろ」
「ホントだよ。かおりんと裕ちゃん抜きだし、結構きびしそうだね。」
「圭ちゃん、なにびびってんねん。大会までみっちり私が高橋をきたえるけん、大丈夫や」
「高橋頼むよ」
「はい」


7月7日 いよいよインターナショナルカップが開幕

初戦は、JリーグでプレイしているGKアヤカとDFミカがいるイングランド。
スタイルは4-5-1、守って1発のカウンター型チーム。
会場は札幌ドーム。

<日本選手控え室>

「スタメンは朝発表したとうり、変更はなしや」
「はい」
「相手は格上だけど勝ちねらうよ。引き分け様なんて思うんじゃないよ」
「ごっちん。それなっちが言おうと思ったのに。なっちがキャプテンなんだけどなぁ」
「よし、みんな準備はいいね。」
「おう」
「がんばっていきましょい」


選手たちが気合を入れている頃、会場ではスタメンの発表が行われていた。

「日本スターティングイレブン」
「GK高橋」
「DF里田、木村、紺野、大谷」
「MF吉澤、後藤、安倍、石川」
「FW加護、藤本」


   9加護   19藤本   

      10安倍
20後藤         2石川

      12吉澤

4紺野 5木村 6里田 7大谷

      22高橋      


スタンドがどっと沸いた。
地元札幌の選手が5人とも出場であるから当然である。

スタンドが興奮の渦につつまれていると、選手たちが入場してきた。
国家斉唱、写真撮影も、滞り無くおこなわれ、いよいよキックオフを迎えた。


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