第15話


オランダのキックオフで試合再開。

「それ、走れリーンネ」
アヤッペがロングパスでリーンネを走らせる。

リーンネがしっかりトラップ。

「とらてれた点はすぐ私が取り返す」

「行かせはしない、リーンネ勝負」

Jリーグでは札幌で一緒にプレーする大谷が止めに入る。
「まさお勝負」
「パスだ、戻せ」
「えっ、アヤッペ!!」

アヤッペが勢い良く上がってくる。

「戻せ、リーンネ」
「アヤッペ・・・・」
「どこ見てる、もらったぁ」

大谷が鋭いタックルにいく。

「わっかた、頼んだよアヤッペ」

大谷のタックルより一瞬早くバックパスでアヤッペに戻す。
勢いあまった大谷のタックルが後ろからリーンネの足を払った。

「まさお!なにしやがる」

ボールはしっかりアヤッペがトラップ。
審判は反則を取らずアドバンテージで流す。

「いくぞ!」

しかし、後ろからマーカーの麻美が懸命に追う。

「止める」

里田が詰め寄る。
しかし、アヤッペはみずから里田に向かって行く。

「よし、いただき」

里田がボールを勢いよく取りにいく。
が、視界からアヤッペが消える。

鋭い動きで横にかわすアヤッペ。
勢いあまって、里田と麻美がぶつかる。

「よし、もらった」

エリア外から意表をつくロングシュート。
ボールは左隅ぎりぎりり飛んで行く。

「なにぃ、でや〜」

高橋が懸命に横っ飛び。
だが反応が遅れた分届かない。

ボールはそのままサイドネットに突き刺さった。

ピィィィィィィィー

前半9分、オランダ同点に追い付く。


歓喜に沸くオランダ陣営。
が、水をさすように笛がなる。

ピィピィピィ

審判が笛を吹きながら右サイドに走って行く。
大谷とリーンネが乱闘状態。

「まさお、てめぇわざとやりやがったな」
「うるせえ、試合の流れのプレーだ」

「やめろ」
「やめるんだ」

両チームの選手があわてて止めに入る。
しかし、二人にイエローカードが出される。

「落ち着いて、雅恵ちゃん」
「安倍さん、すみません。つい熱くなちゃって」
「ごめん、アヤッペの動きはわかってるつもりだったんだけど」
「麻美ちゃんも、気にしない」
「そうですよ、まだどうてんですし、はやく2点目いただきましょう」
「あやや・・」
「さあ、気を取りなおしていくよ」
「「おう」」

日本のキックオフで試合再開。

「いくよ、ごっちん」
「はい、安倍さん」

すばやいワンツーで一気にオランダ陣内を掛けあがる。

「よし」

後藤からのパスを受け、安倍がロングシュート。
これも先ほどと同じく、左隅ぎりぎりに飛んで行く。

キーパー懸命に飛ぶが届かない。
が、ボールはポストにあたる、こぼれたのをDFが外へ。

「ちぃ、狙いすぎた」

日本のスローインで試合再開。

「それ」

麻美から安倍にボールが渡る。

「それ、あやや」
「よし」
「ホームグランドでしょ、たのんだよ」

松浦が勢いに乗り、一気に掛けあがる。

「甘いんだよ、若造が」

バシィ

「えっ」

アヤッペが真正面からカット。

「アヤッペ勝負」

麻美が勝負に行く。

(ここはいつもなら・・・)

左右のフェイントに対応できる姿勢で向かって行く。
が、アヤッペは正面から強引に抜き去る。

「えっ」

麻美を振り切りフリーになり、一気に掛け上がる。

「これ以上はいかせない」

安倍がタックルにいく。
アヤッペも強引に抜きにいく。

バキィ

ボールがこぼれる。
アヤッペがすばやく体勢を立て直し、ボールを拾う。

「いけぇ、リーンネ」

ゴール前に上げる。
これにリーンネと大谷が走りこむ。

「もらった」
「させるかぁ」

両者空中で激しくぶつかる。
バキィ
大谷の左ひじがリーンネの顔面にはいった。
両者もつれて落下。
リーンネが顔をおさえている。

ボールがこぼれたが高橋が難なく抑えた。

ピィピィピィ

「えっ」

審判がPKスポットを指差す。
さらに大谷に向けてイエローカード。
2枚目のイエローカードなので、続けてレッドカードが出される。

「ええっ」
「そ・・そんな、今のはわざとじゃないよ」

日本イレブンが審判に詰めより、激しく抗議する。

「そんな、なんてことだ」
つんくもベンチで頭をかかえる。

「もういいよ、みんな。みんなまでイエローもらちゃう」
「まさお・・・」
「あとはみんな頼んだよ」

大谷が後を皆に託し、ピッチを出る。

前半15分、大谷退場。





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