第10話


7月12日 日本予選リーグ第2戦 会場は横浜国際競技場

第2戦は、JリーグでプレーしているFWキタ、スエ、アラと
アフリカNO.1GKといわれるモモコのいるカメルーン。
スタイルは4-3-3、攻守ともにバランスの取れたチーム。


<朝・宿舎>

「よし、みんな集まったな。今日のスタメンを発表する」
「「「はい」」」
「GK高橋」
「DF里田、木村、紺野、大谷」
「MF吉澤、後藤、安倍、齋藤、矢口」
「FW加護」
「今日は4−5−1の守り主体でいく。MFは前に後藤と安倍、
後ろに斉藤、吉澤、矢口」


<試合前選手控え室>

「スタメンは朝発表したとうり、変更はなしや」
「はい」
「きつい試合になりそうだけど、がんばっていくよ」
「よし、みんな準備はいいね。」
「おう」
「がんばっていきましょい」

選手たちが気合を入れている頃、会場ではスタメンの発表が行われていた。

「日本スターティングイレブン」
「GK高橋」
「DF里田、木村、紺野、大谷」
「MF吉澤、後藤、安倍、齋藤、矢口」
「FW加護」


      9加護      

   20後藤   10安倍
         

16齋藤         15矢口
      12吉澤  

4紺野 5木村 6里田 7大谷

      22高橋      


スタンドがどっと沸いた。

スタンドが興奮の渦につつまれていると、選手たちが入場してきた。
国家斉唱、写真撮影も、滞り無くおこなわれ、いよいよキックオフを迎えた。



日本のキックオフで試合開始。
センターサークルには、安倍と後藤が立つ。

「ごっちん!!」
「はい」
「必ず勝つよ!!」
「はい」

ピィィィィィィィ

後藤が安倍にパスをちょこっと出す。
パスを受けた安倍が果敢にドリブルで中央突破を図る。

(優位に立つ為にも一気に決める)

「スエ、アラ行くよ」
「おう」

「こい!抜く!!」
安倍が体をすばやく左右にゆすり一気に3人を抜きさる。

「よし」
いったんボールを左の後藤にはたく。

「よし、いくよ」
パスを受けた後藤も一気に左サイドを掛けあがる。
しかし、コーナ―で囲まれセンタリングをあげれない。
「頼みます、安倍さん」

後藤が安倍にボールを戻す。

パスを受け安倍が回りを見渡す。
(加護にはきっちりマンマークか)

「よし、いけ」
果敢にエリア外からシュートを放つ。

ボールはゴール右隅へ一直線。

バチィィ

が、モモコがしっかりキャッチ。

「やっぱり、中に入らないとだめかな」

「いけー、速攻だ」
ボールをキャッチしたモモコがすばやく前線にフィード。

「ナイスパス、モモコ」
キタがパスキャッチ。
そのまま一気に中央突破。
すばやい小回りのきいたドリブルで、止めに入った里田と木村を一気に抜きさる。

「雅恵たのむ」
「あいよ、ここは通さないよ」
「わっ」
大谷がなんとか止めた。
しかし、

ピィィィィィ

審判の笛がなる。
バックチャージを取られてしまった。
「そんなぁ、相手が勝手に倒れたんだよぉ」

ゴール正面でのフリーキック。
当然のごとく日本はゴール前に厚い壁をつくる。
「矢口さん」
「うん、齋藤ちゃん。たぶんくるよ」
「はい」

ボールの位置には、キタ、スエ、アラの3人が立つ。

ピィィ

キタがちょこんと浮き玉をあげる。
それをスエが大きく蹴り上げる。
「よし、貰った」
アラがジャンプ1番で飛び込み、ジャンピングハイキックで
シュートを放つ。

「そうはいかない」
壁の一角だった矢口と齋藤が回りこみ、ジャンプをし足を高く上げブロック。
「その技は通用しないよ。おいら達3日間も練習したんだから」
矢口がしっかりボールを押さえ言い放つ。


***
スタンドではイタリアチームが観戦にきていた。

「サヤカさん。なんかすごい展開になりそうですね。レーナはもっと点の入る展開になるかと思ってたのに」
「ああ、日本は今日はボランチを3人にして守備的できている。カメルーンはアフリカNO.1GKといわれるモモコ、
共に攻撃的なチームながら、この試合に限っては点が入りにくい展開だ」
「じゃあ、1点勝負ですかね」
「たぶん、そんな感じだろうよ」

(後藤、必ず勝ち上がってこいよ。そして私との勝負に勝って見せろ)
***


「よし、速攻だ。なっち」
矢口が前線に残っていた安倍にすばやくボールを回す。

「ナイスブロック矢口。じゃあ、いくべ」

日本のカウンターにカメルーンは戻りきれない。
安倍は一気にドリブルで突き進む。

「頼むよ、ごっちん」
左サイドをあがる後藤にパス。

「あいよ」
パスを受けた後藤はそのままエリア内へ突き進む。
「よし、そこだ」
ゴール右隅を狙ってシュート。

「決めさせはしない」
モモコもシュートにすばやく反応している。
横っ飛びでワンハンドキャッチ。

「そんなぁ、それもワンハンドで・・・」
「そう簡単には割らせないよ。よしいくか」

モモコがペナルティエリアを飛び出し、ドリブルに入る。

「いくぜ、安倍なつみ勝負」

安倍との1対1。

「くらえ」
低い体勢から、安倍の顔面めがけてボールをおもいっきり蹴り上げた。

サッ

安倍は間一髪かわした。

「いいのかな。とめなくて」
「なんだべさ」
「ボールは風上の追い風にのって、一気にゴール前だぜ」




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